10月16日　鉄工所、日本の幕開け（1886年）

1880年に創業した製鉄所が廃業し、官から民へ払い下げられました。

しかし、高炉操業主任の高橋亦助（またすけ）も、なんとか成功させたいという思いがありますが、なかなかうまくいきません。結局資金難から作業所の休業と全従業員の解雇を告げます。

その夜・・・

高橋は、夢の中で老人が現れ、

「これまで良い鉱石として使用していたものを不良だ。不良だとしていたものこそが真に良い鉱石だ」と告げて消えたそうです。

翌朝、高橋の元に、前日解雇した従業員が訪れ、

「度重なる失敗が続き解雇も仕方が無いとは思うが、このまま終わるにはどうしても諦めきれない。家族に食べさせる食糧さえあれば賃金は要らないのでどうかもう少し挑戦させて欲しい。」さらに、「これまで不良として使わなかった鉱石を是非試して欲しい」と進言しました。

夢の話と一致した事で、もう一度挑戦を決めたところ、通算49回目にして製鉄に成功したのです。

従業員は気付いていました。不要となっていた鉱石が、実は重要だという事を。でも言えなかった。そして、なんらかの想いが高橋の夢の中の老人として現れ、お告げしたのかもしれません。

セレンディピティとは偶然をきっかけに幸せになる能力。

大切なのは、目の前の偶然の何に気が付き、どう行動するかです。

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