2月1日 エリザベス・サンダース・ホーム開設(1948年)

三菱財閥の創業者、岩崎弥太郎の孫娘として生まれた澤田美喜が1948年にエリザベス・サンダース・ホームを開設しました。

これは、第二次世界大戦後に、連合軍兵士と日本人女性との間に、強姦や売春あるいは自由恋愛の結果生まれたものの両親や周囲の人々から、見捨てられた混血児のための施設として、神奈川県に設立されたのです。

実は、開設に至るまでに数々のセレンディピティがありました。

ある時、彼女は東海道線を走る電車で座っていると、ガタッと列車が揺れた拍子に、網棚から紫の風呂敷が、真下にいた美喜の膝の上に落ちたので、網棚に戻そうとしました。しかし包みを不審に思った警察が寄ってきて、開いて見せることを要求したのです。

すると、なんと・・・

生まれたばかりの黒人の赤ん坊の遺体でした。(当時は親の生活苦や世間体から、川や沼、トイレに無残に捨てられてしまう事もあったようです)

彼女はこの偶然を神様の声と受け止め、孤児たちを受け入れる施設を作ろうと決心します。

しかし、三菱財閥の財産はGHQにより解体され資金はほとんどありませんでしたが、借金をして大磯の別荘を買い戻し、子供たちを受け入れたのでした。

さらに、孤児院は、日本で長らく暮らしていたエリザベス・サンダー女史の遺産が送られたのに感謝を込めて「エリザベス・サンダース・ホーム」と名付けられました。

彼女は、偶然をきっかけに、自らの幸せよりも、孤児の幸せを願い、力を注ぎました。


彼女の膝の上に落ちてきたという偶然がなければ、1,400人の命が無かったかと思うと、「ありがとう」と心から伝えたいです。

(GIベビーと言われる混血児は20万人と算出した澤田美喜は、この施設で1,400人近くの孤児たちを救済した)


1970年放送のTBS、「サインはV」にジュン・サンダースという役があり、エリザベス・サンダース・ホームで育てられた孤児という設定になっていたので、もしかしたら、ご存知のかたもいらっしゃるかもしれませんね。


セレンディピティとは目の前の偶然を幸せに変えるスキル。幸せになるのは、あなた自身でなくてもいいのかもしれません。

回りの人が大きな幸せを得られるのであれば、それはあなたの幸せにつながるのですから。

大切なのは気づきです。

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