1月9日　ジャンヌ・ダルクの異端審問開始(1431年)

農夫の娘として生まれた彼女は、神の啓示を受けたとしてフランス軍に従事します。

100年戦争で重要な戦いに勝利しますが、最終的にはブルゴーニュ公国軍の捕虜になり異端審問を受け、19歳の若さでその生涯を閉じました。

※審問とは、中世以降にカトリック教会で信仰に反する教えを持つ（＝異端）という疑いをかけたられた者を裁判するためのシステム。

教会の教理では、神の恩寵（おんちょう：神からの恵み）は、人間が認識できるものではないとされていたのですが、その異端審問の中で

「髪の恩寵を受けていたことを認識していたか？」と尋ねられます。

これに対してジャンヌ・ダルクは、

「恩寵を受けていないのであれば、神が私を無視しておられるでしょう。恩寵を受けているのであれば神が私を守ってくださっているでしょう」と答えたと言います。

肯定してしまうと、異端と判定

否定すると、自身の罪の告白

となってしまうのです。

この回答に驚きを隠せなかった尋問者は、呆然としてしまったと言われています。

しかし、文字が読めなかった彼女は、供述宣誓書ではなく死刑宣告書に近い内容の物に署名してしまったため、同年5月に処刑されてしまいました。

審問にかけた敵国は、この19歳の少女の思考力や行動力やリーダーシップに恐れをなし、処刑への筋書きをしてしまったのかもしれませんね。

瞬間的に思考し、理路整然と話せるのは普段からの思考と口述の練習が必要です。

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